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今回新入荷したワインは、「王のワインにして、ワインの王」と称される偉大なワイン、バローロです。
その中でも最上のクリュの一つと呼ばれる「ブッシア」の魅力とともにご紹介します!
バローロとは
長期熟成に耐える重厚かつ深遠な味わいのバローロは、イタリアを代表する高級ワインとして世界的名声を誇っています。
使用されるぶどう品種は「ネッビオーロ」
イタリアでもっとも高貴な黒ブドウのひとつです。
ネッビオーロで造られたワインは色調が淡く、タンニンと酸が豊富なのが特徴。
バローロではこのネッビオーロ種を使用し、最低3年間、うち2年間は木樽で熟成させることが規定とされています。
一口にバローロといっても、生産者のスタイルによって味わいがことなります。
大きく「現代派」、「伝統派」、「中間派」の大きく3つに分類できるといえるでしょう。
ブルゴーニュ流製法を取り入れ、若いうちから愉しめる現代派(モダン派)を生み出した「バローロ・ボーイズ」は、各ワイン評論家から高い評価を受け、アメリカを中心に一大ブームとなりました。
対して伝統派は、長期のマセラシオンと大樽を用いた昔ながらの製法により、強靭で長期熟成に耐えうるワインを生み出します。
そして両面の製法をバランスよく取り入れているのが中間派です。
このように、製法の違いがワインのスタイルに大きな差を生み出しています。
また、現在では単一畑のブドウのみを用い、畑ごとの個性を表現する「クリュ・バローロ」というスタイルも注目を集めています。
その「クリュ・バローロ」と言われるワインが、今回入荷した「バローロ・ブッシア」です。
銘醸畑「ブッシア」
バローロは11の村(コムーネ)で造られており、そのうちの5つの村、「モンフォルテ ダルバ」「カスティリオーネ ファッレット」「セッラルンガ ダルバ」「ラモッラ」「バローロ」が重要な産地とされています。
この5つの村はミクロクリマ(微気候)は非常に似ていますが、土壌のタイプが異なり、大きく分けて2つあります。
ひとつがモンフォルテ ダルバ、カスティリオーネ ファッレット、セッラルンガ ダルバの土壌タイプである「エルヴェツィアーノ」という古い時代の地層です。
よりストラクチャーのしっかりとしたアルコール度の高い長期熟成タイプのバローロができる傾向にあります。
一方の土壌タイプである「トルトニアーノ」は、より上品で優しいバローロになります。
銘醸畑「ブッシア」は、この二つの土壌がちょうど合流する地点に広がり、畑の中でその両者が混じりあっているのが特徴です。エレガントな味わいと、ストラクチャーを併せ持ち、熟成能力にも秀でたワインを生み出す非常に素晴らしいワインです。
モスコーネのワイン造り
モスコーネのワイン造りの歴史は1877年まで遡ります。バローロの生産地域の中でも最も傑出していると言われるモンフォルテ・ダルバに18ヘクタールの土地を所有。
そのうち5ヘクタールはブッシア・クリュ、バローロ最上の畑の一つとして、あまりにも有名な畑です。
モスコーネ家の系譜は歴史上失われていましたが、1877年、ジャチントの生誕とともに、ワイン生産者としての歴史の歩みが始まりました。
ジャチントは、その土地の最も適した土壌とブドウ畑にフォーカスし、モンフォルテ・ダルバの生産者として成功を収めました。
今日、モスコーネ一家は、2つのワイナリーと18ヘクタールの土地を所有。畑はモンフォルテ・ダルバでも陽当たりのよい丘の上にあり、適度な風通しと特有の土壌構成がモスコーネのワインに際立った個性を与えています。
また、モスコーネは世界的有名な、イタリアワイン業界の重鎮、ドナート・ラナティ博士のコンサルタントを受けており、この類まれな土地を十二分に表現していることも特筆に値します。
※右:ドナート・ラナティ博士