この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。
秋到来、「モン・ドール」の季節がやってきました。
モンドールを取り扱う飲食店様も多いのではないでしょうか?
今回は初物好きな日本人にピッタリな「モン・ドール」についてご紹介します!
「モン・ドール」とは?
「モン・ドール」とは、フランスとスイスの国境近くジュラ山脈の「モン・ドール(「黄金の山」の意)」という渓谷一帯で、秋から冬の期間のみ生産されるウォッシュタイプのチーズです。
この地域は、春から秋に沢山採れるミルクを使用して大型チーズ「コンテ」も作っています。
冬が近づくと高地で放牧されていた牛たちは山を下り小屋に戻ります。
冬季はミルクの生産量が減り雪で道路が封鎖され移動できない為、コンテの代わりに自宅で小型のチーズを作り始めたのが「モン・ドール」の始まりとされています。
ちなみに、「モン・ドール」という名称はフランスのもの。
スイスで作られるものは「ヴァシュラン・モン・ドール」という名前になります。
また、フランスのミディ=ピレネー地域圏で作られているヤギの生乳を原料にして作られている「カブリ・アリエジョワ」と呼ばれるモンドールに似たタイプのチーズもあります。
生産量が少なく幻のチーズと言われています。
秋冬限定の理由
ウォッシュタイプのチーズは熟成の過程で表面を地元で造られたワインやブランデーなどを使って何度も洗うのですが、モン・ドールは塩水で洗って熟成させるのでミルク本来の旨味と独自の味わいを持っています。
フランスでモン・ドールの製造が許される期間は8月15日~3月15日。
実はこのチーズ、そのクリーミーさゆえに夏の暑さに弱く、期間限定でしか製造・販売されないのです。
モン・ドールは製造元で約4週間、その後チーズ業者で2~3週間熟成されます。
そのため、初物が日本に届くのは早くても9月末頃。
側面はエピセア(樅の木の一種)という木の樹皮で巻き、更にエピセアの棚の上で熟成させ、出荷する際には、エピセアで作った木箱に入れられるので、香ばしい木の香りが広がるのが特徴です。
出荷が始まる9月下旬はまだほんのり固く木の香りも穏やかで、ミルキーな味わい。
11月上旬ぐらいの物は柔らかくなり木の香りも強くなって、味わいもしっかりしていきます。
同じモンドールですが熟成による味わいが変わっていくのも魅力の一つです!
モンドールは召し上がる1時間ほど前に冷蔵庫から取り出しておくとよりトロトロ感を楽しめます!
ウォッシュタイプ初心者の方にはまだ若めのフレッシュなモンドールを。
食べなれた方には熟成が進んだモンドールをオススメしてみてはいかがでしょうか?
![]() |
モンドール AOP 約450g(1ホール) アルノー社
|