この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
お正月はいかがお過ごしでしたか?
お正月といえば、おせちにお雑煮、ブリ、鮭。それに数の子、いくら、たらこ・・・
魚卵といえば、ワインと合わせるのが難しい食材の筆頭格ですね。
他にも青背の魚や生魚、貝類なども難易度高い食材。
でも、ご安心ください。
シーフードは、肉より注意が必要ですが、ある程度ルールさえ守ってあげれば難なく楽しめますよ。
今日はマリアージュのコツをご紹介します。
白身のお魚とのマリアージュ
さて、お魚には大きく分けて白身と赤身があります。
それは単に色を指すだけではなく、どちらかというと身の性質が重要。
白身は速筋たんぱく質主体で、脂は少なく、プリっと弾力のある質感が特徴ですね。
白身にはフレッシュな白ワインが持つリンゴ酸が良くあいますが、レモンやスダチ等仲立ちするものを食材にかけるのが大切な一手です。
赤身のお魚とのマリアージュ
一方赤身は遅筋と呼ばれる持久力に秀でた筋肉で、乳酸が含まれているのが特徴です。
食材の色で判断するのも早計。
例えば身が白いイセエビ、実は乳酸が多いです。
また、ブリやメカジキも一見白身ですが、長く泳ぐ魚なので赤身の魚とみなすべきです。
乳酸を含む赤身の食材と、リンゴ酸とか酒石酸主体のフレッシュな味わいのワインは相性が良くありません。
乳酸のある食材に合うのは、乳酸か琥珀酸を持ったワイン。
乳酸は一部の高級白ワイン(樽熟成や、長い発酵の過程で乳酸発酵したワイン)と、赤ワインに見られます。
赤ワインは品質を安定させるために必ず乳酸発酵させますので、手軽に合わせるなら赤がおすすめ。
琥珀酸は貝類の旨味の元とも言われていますが、フレッシュな白ワインよりも、熟成ワインや格の高いワイン、貴腐ワイン等のデザートワインに含まれていることが多いです。
食材にお醤油をひとさしすれば、さらに良い相性が楽しめます。
超難関!数の子とのマリアージュ
昔、ドイツの白ワインと数の子が合うかどうか、身をもって検証したことがあります。
低価格のきりっと辛口タイプのワインは軒並み壊滅的な相性でしたが…ランクが上がってくると、不思議と生臭さはたたず、きれいに調和するようになり、甘口のアウスレーゼやベーレンアウスレーゼと数の子は素晴らしい相性でした。
そういえば、キャビアにシャンパーニュを合わせるのも、同じ理由かもしれませんね。
何年も熟成させていく上質なシャンパーニュは問題なくとも、さっぱりと仕上げられた並の辛口スパークリングでは、魚卵の生臭さをかえって強く感じさせてしまうことでしょう。
白ワインやスパークリングワインは難しいところがありますが、半面、赤ワインは意外と問題なく合わせられます。
しかし、今度は赤ワイン特有の渋みが問題となってきますので、タンニンの少ない赤ワインを合わせる方が良いでしょう。
メルロやカベルネ・フラン、ピノ・ノワール、サンジョヴェーゼ…ほかにも多数ありますが、色がそれほど濃い色にならないものが適しています。
例えば、シラーやカベルネ・ソーヴィニョンは(感覚的にも)向かないでしょう。
海の幸にオススメワイン
冬の海の幸に合わせてほしいワインをご紹介します。
このワインはメルロ種主体で、飲みごたえ抜群の1本。
さすがはサンテミリオン最高峰アンジェリュスの醸造家が関わるワイン。
コルクを抜いて翌日、翌々日でも美味しく楽しめました。
干支ワイン(虎)レ・ドゥーザニモ
|