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今回のお便りは、イタリア北部ヴェネト州で自然派栽培に代々取り組むフィドーラより。
代表のエミリオからバイオダイナミクス農法で重要な、冬の土づくりについて教えてもらいました。
Ciao a Tutti!(みなさん、こんにちは!)
ワインの仕込みも落ち着き一休み…とはいかず、剪定や畑仕事と忙しい日々が続いています。
2021年は、気候変動の影響を受け、イタリア全体で霜害や雹が発生。
ブドウの収穫量は1割ほど減りましたが、品質は上々です。
自然栽培の畑は、土壌に住む多くの微生物や周囲の森のおかげで、他に比べ影響は軽微で、安定した品質を保ったように感じます。
自然農法は色々な種類がありますが、我々はバイオダイナミクス農法を取り入れています。
これは古代の知恵を活かし、天体の運行や植物の効能を取り入れ畑自体のエネルギーを高めることを重視します。
秋の収穫を終えるとすぐ翌春の準備に入ります。
まず畑の畝間を鋤起こし、地中に新鮮な空気を送ります。その後、地中に数種類のハーブを埋めます。
ハーブは複数ありますが、まずタンポポ。先の春に収穫し、花を牛の腸膜の上で乾燥させておいたものです。
タンポポはシリカとカリウムを多量に含んでおり、
ブドウの木の細胞構造に働きかけ、樹液がスムーズに流れるようにします。
カビ・ベト病に対する耐性を高めることもできます。
他の例では…カモミール。
土中の窒素を安定させ、地力を回復させる力があります。
秋に収穫した花を牛の腸にいれたものを地中に埋めます。
これらは一部ですが、収穫や醸造以外にも、こんな作業をしていたんだな、と知っていただければ嬉しいです。